介護現場のニーズリスト送迎車の遅延

場面

その他

場面の詳細

デイサービスにおいて利用者を自宅に送迎する場面

課題の持ち主

被介護者、家族

課題の持ち主の詳細

被介護者本人やご家族、介護施設職員

課題の具体的内容

デイサービスの送迎については次の課題があり、遅延を引き起こしている。
①渋滞などの交通事情により利用者の送迎が進まない。
・介護報酬では送迎加算があるが、基本報酬はデイサービスでの滞在時間で決まるので、到着が遅れると報酬が下がる。
・複数の利用者宅を周りピックアップするので、一つの利用者宅の送迎が遅れるとその後の利用者の不満要因となる。

②ドライバー不足になっている。
・定員数に制限があり、利用者がケアマネの計画に沿って利用するまでの期間が長く、原則として計画に沿ってのみ利用されるので、フル稼働が難しい。
人員配置もなるべく変動費化する傾向が強い。送迎は収入を上げる主たる活動ではないので、その傾向が強い。そのため不安定であり、送迎時間だけのドライバーの確保が難しい。
・介護職員を8時間労働(+休憩1時間)とすると、介護サービス以外にドライバー業務が期待される。
しかし女性労働者が多いことや、介護職員になる人は車の運転歴が少ない人が多く、ドライバー業務を引き受けたがらない。
なおタクシー等の旅客輸送(人の輸送)は2種免許や運行管理者が必要だが、介護は実務上の都合で規制が緩和されている。
(以下は砂個人の意見として)
介護職員の傾向として、運転免許の取得や車両の所有が少ないように思われる。
運転ができれば他の職業を選択する可能性が高く、ハローワークや職業紹介で他の職種を案内するのではとも思われる。

③送迎業務ではワンオペが多い。
・ハイエース等の大きな車両は運転技術が必要なのと、路地を通るには不向きである。そのためコンパクトカーや軽車両が利用される。
乗員数に上限があるので、1名での送迎業務となることが多い。
そのため乗降に時間が掛りやすい。

④運転以外に介助・補助が必要なことが多い。
・例えばマンションに独居や家族の介助を期待できない利用者の場合、部屋からエントランスまで介助が必要となり、戸建と違い大幅に時間が掛る。
・利用者宅での介助もデイサービス業務の時間に含むこともできるが、そこまで介助が必要でない利用者が多い。

対策・工夫・道具・使っている機器やその課題

・送迎が遅延する際は、施設側が利用者家族に電話連絡を入れる。ただし、実施していない施設もあり、また施設側としては、どの程度の遅延から連絡すべきかなどの線引きが難しい。
・送迎以外に補助が必要な利用者の場合、送迎準備に訪問サービスの利用が推奨される。
・運転代行をする業者も増えている。
・送迎のエリアを絞って、利用者を獲得する工夫がもっとも効果的と思われる。
・利用者側の事情か、交通事情など不可抗力によるものか分けて考える必要があり、課題の整理をしたうえで対応を検討すべきで、この点ができていないデイサービスが多いと思われる。

担当者

マッチングサポーター
砂 亮介(株式会社介祉塾)

キーワード

生産性向上、在宅支援、管理業務支援

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